「いったい何が起こったのか」。徳島県松茂町の赤松化成工業第4工場が全焼した火災は、16日夕の発生後、瞬く間に火が燃え広がり、建物全体を包み込んだ。逃げ出した従業員らは表情をこわばらせ、呆然(ぼうぜん)と立ち尽くした。
午後5時すぎ、同社の火災報知器が鳴り響いた。「第4工場に消火器を集めろ」。社内に消火活動の指示が飛び交ったが、火はすぐに大きくなった。第4工場責任者の男性(39)は「皆で消そうとしたが煙で前が見えなくなり、避難した。パニック状態だった」と振り返る。
風にあおられて火は勢いを増し、向かいにある社員寮にも黒煙が覆いかかった。警察が住民に避難を呼び掛け、口にタオルを当てた人が次々と建物から飛び出した。
現場は、製造会社や運送会社が集まる産業団地。目と鼻の先にあるリサイクル会社従業員の男性(53)は、急いで屋外の古紙や車両を移動させた。「一歩外に出ると熱気がすごく、火の粉もたくさん飛んできた。延焼は免れて良かった」と、胸をなで下ろした。
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