18日夕、阿南市那賀川町の民家が全焼し、焼け跡から1人の遺体が見つかった火災で、県警捜査1課と阿南署は19日深夜、現住建造物等放火の疑いで、その家に住む清掃員森本渓太容疑者(20)を逮捕した。署によると、森本容疑者は「やっていない」と容疑を否認している。県警は20日午後にも森本容疑者を送検するとともに、今後、殺人容疑も視野に捜査する。
逮捕容疑は18日午後4時40分ごろ、木造2階建ての母屋=延べ約178平方メートル=の1階で放火し、全焼させたとしている。
遺体は同居する祖母(82)とみられ、署が身元の確認を急いでいる。司法解剖の結果、死因は焼死だった。
署などによると、森本容疑者は18日、仕事が休みで、出火当時は祖母と自宅にいたとみられる。両親は外出していた。
火災発生を受け、署員が家族の安否を確認していたところ、近くの空き地に1人でいる森本容疑者を発見。出火時にどこにいたのかを聞いたが、曖昧な説明を繰り返した。19日に再度事情を聴くと「火を付けた」と供述したため、逮捕した。しかし、逮捕後は否認に転じた。
県警や阿南市消防本部は20日午前9時20分ごろから、約20人体制で現場検証を行い、火元などの調査を行っている。県警は森本容疑者が何らかの方法で火を付けた後、祖母を残して1人で外に逃げたとみて、動機や殺意の有無などについて詳しく調べる。