NHK紅白歌合戦の中継が行われた大塚国際美術館システィーナ・ホール

 徳島県出身のシンガー・ソングライター米津玄師さん(27)が、昨年末のNHK紅白歌合戦に初出演してから31日で1カ月。生中継の舞台となった鳴門市の大塚国際美術館には「聖地巡礼」するファンが相次ぎ、西洋名画約1000点の陶板画が並ぶ美術館の魅力にも注目が集まっている。

 美術館は1カ月間の入館者数を公表していないが、正月三が日と3連休だった12~14日の入館者は前年より5割増えたという。米津さんが紅白でヒット曲「Lemon」を歌ったシスティーナ・ホールは、記念撮影する若者で大にぎわい。19日に徳島市で始まった全国アリーナツアーの公演翌日には、ツアーグッズの服を着たファンも目立った。

 美術館は入館者が増えた要因として紅白での中継の反響に加え、昨年11月からアイドルグループ「Sexy Zone」のマリウス葉さん(18)がアンバサダーを務めていることや、開館20周年記念事業のPR効果も大きいと見る。

 紅白をきっかけに来館したファンは、ゴッホの「ひまわり」やレオナルド・ダビンチの「モナリザ」など、世界的名画を原寸大で再現した展示にも引き込まれている。高松市の会社員池川由紀子さん(22)は「教科書で見るような有名な絵が一度に見られてすごい。想像以上の規模で感動した」と話した。

 インターネットの会員制交流サイト(SNS)には「米津さんのおかげで初めて徳島に上陸し、美術館と渦潮を堪能」といった投稿もあり、鑑賞後に鳴門観光を楽しむ客も。大鳴門橋の展望施設・渦の道の担当者は「米津さん効果を実感している」と言う。

 美術館学芸部の富澤京子係長は「幅広い世代に美術館や徳島の魅力を知ってもらう機会になりありがたい」と話している。