徳島県とコウノトリ定着推進連絡協議会は23日、鳴門市大麻町のJA徳島北で会合を開き、同市に居着くコウノトリが安全に営巣できるよう、人工巣塔1基を3月末までに設置することを決めた。
人工巣塔は高さ12~13メートルで、コンクリート製か鉄製にする。設置場所は、これまでコウノトリが飛来した鳴門市や松茂、藍住両町などを中心に選ぶ。設置費は約40万円の見込みで、県が負担する。
鳴門市大麻町と大津町には現在、大麻町生まれの3羽とその親鳥2羽のほか、兵庫県豊岡市と福井県越前市から飛来した4羽が居着いている。新たなペアが誕生し、巣作りする可能性がある。
県環境首都課の永本吉宏係長は「徳島の気候などに対応した『徳島モデル』の人工巣塔を考えていきたい」と話した。
人工巣塔は、2016年の県議会2月定例会で飯泉嘉門知事が設置する方針を示したが、同年4月に鳴門市大麻町の電柱で営巣するペアが繁殖に失敗し、翌年の繁殖活動を見守るなどしたため見送っていた。
会合ではこのほか▽コウノトリが再び電柱に巣を作った場合は、巣を撤去して人工巣塔を近くに設ける▽大麻町のペアが営巣する電柱の高圧線撤去など、巣の改造工事の手法やタイミングを検討する―ことを確認した。