徳島県の藍染の歴史や文化を広く発信しようと、9市町が阿波藍を文化庁の「日本遺産」に申請する。昨年に続き2回目。藍染の染料・すくもの全国一の産地にもかかわらず昨年は不参加だった上板町が今年は加わり、申請内容も見直す。審査結果は5月に発表される。
徳島、吉野川、阿波、美馬、石井、北島、藍住、板野、上板の9市町が共同で申請する。名称は「400年の伝統の技が息づく藍の里 阿波」とし、各市町にある31の文化財を対象に選んだ。
上板町からは、すくもを生産する藍師の製造技術や、国重要文化財の藍屋敷「戸田家住宅」などが加わった。
昨年の申請に対する文化庁の指摘を踏まえ、時季を問わず見学できる藍屋敷を中心に据え、吉野川市の「工藤家住宅」や北島町の「橋本家住宅」などを新たに盛り込んだ。
昨年4月以降、各市町教委の担当者らが月1回ほど集まり、内容を協議してきた。締め切りは2月1日。県教委を通じて申請する。
日本遺産は、文化財を観光資源として活用するため、文化庁が2015年度から始めた。同庁によると15~17年度に229件の申請があり、うち54件が認定されている。
県関係では、四国4県で申請した「四国遍路~回遊型巡礼路と独自の巡礼文化」が15年度に認定されている。