入田小学校(徳島市)の児童が、地区伝統の獅子舞継承に取り組んでいる。獅子舞は担い手不足から約20年間途絶えていたが、住民らが同校を核に地域を盛り上げようと2016年に西大原獅子舞保存会として復活させ、昨年11月から児童を指導してきた。児童は28日、同校である学習発表会で初披露する。
獅子舞に取り組んでいるのは5、6年生の15人。毎週1回、地域の伝統を学ぶ総合学習の時間に、同保存会の武市文孝会長(64)らの指導で、男子は獅子舞2体の操作、女子は太鼓4張りの演奏を練習している。
武市会長によると、入田地区の獅子舞は約200年前の江戸時代後期に地元の剣道師範が始めたとされ、獅子頭の動きや足運びに剣道の所作が取り入れられているのが特徴。
毎年秋祭りの際に若者が中心となって地区を回り、豊作や厄よけを祈って披露していたが、人口流出などで次第に担い手が不足するようになり、約20年前から途絶えていた。
16年に教員と住民らが地域活性化策について話し合う中で、獅子舞復活の案が出て、4月に保存会を再始動。30~70代の男性13人を中心に練習を重ねた上で児童への指導も始めた。
学習発表会は午前10時スタート。獅子舞は同11時半から上演される。同11時からは3、4年生が継承に取り組んでいる地区伝統の締め太鼓を披露する。
獅子頭を担当する5年松木海拓(みひろ)君(10)は「地区伝統の獅子舞を僕たちが盛り上げていければ。発表会では落ち着いてしっかり演技したい」と意気込んでいる。