2016年に勝浦町で見つかったティタノサウルス形類の歯の化石(徳島県立博物館提供)

2016年に勝浦町で見つかったティタノサウルス形類の歯の化石(徳島県立博物館提供)

 徳島県立博物館と福井県立恐竜博物館は2月5~7日、竜脚類の草食恐竜ティタノサウルス形類の歯の化石が2016年7月に見つかった勝浦町の勝浦川支流沿いで、恐竜化石の発掘調査を行う。これまでの予備調査で新たな化石発見の可能性が高まったため、本格調査に踏み切った。

 調査は、16年に歯の化石が見つかった地点を中心に、半径約300メートルの範囲にある白亜紀前期(約1億3千万年前)の地層が露出した場所で行う。両館の学芸員や、歯の化石を発見した阿南市の親子を含む県内の化石愛好家ら6人が、転石をハンマーで割るなどして確認する。以降も調査を継続する。

 両館が16年12月と17年7月に現地で行った予備調査では、スッポンの仲間の化石が数点見つかった。スッポンは恐竜と生息環境が似ていることから、恐竜化石発見の可能性があると判断した。

 両館は勝浦町で16年に見つかった化石を分析した結果、形や国内で出た同じ竜脚類の化石との比較から、国内最古級のティタノサウルス形類の歯で、下あごの右前方か上あごの左前方のものだと断定した。2月2~4日に松山市である日本古生物学会で発表する。

 徳島県立博物館の辻野泰之学芸員は「予備調査の結果からすれば新たな恐竜化石が出てもおかしくない。集中的に調査を進めて成果を出したい」と話している。