波力発電の開発に取り組んでいる阿南市が27日、離島・伊島で潮流を利用した実証実験を始め、発電が確認された。
市や市の委託で試作機を開発した阿南高専(同市)、伊島漁協の関係者計10人が参加。この日は設置を予定している前島橋の下に速い潮流がなく、係留した漁船後部に試作機をロープで固定し、漁船のプロペラで作った流れを利用した。
実験では、流れが生じると、試作機に備えられた水車4基が回転し。発電機と接続したLEDライトが発光した。ただ水車が想定より沈んで十分に回転しなかったため、今後は浮いている部分の位置や水車に付けた羽の形状の改善などを検討する。
近く設置予定場所に固定し、3月中旬までデータを収集する。市は一般家庭1世帯の年間消費電力量に近い2800キロワット時の発電量を目指している。
阿南高専の宇野浩特命教授(熱工学)は「まずは発電を確認できたので、今後は安定して電気を起こせるよう改良を重ねたい」と話した。