2月3日の節分を前に、縁起物の太巻き「恵方巻き」の売り込みが徳島県内の小売店で活発化している。料理店格付け本「ミシュランガイド」三つ星のすし店が監修したり、寺で祈祷(きとう)したのりを使ったりした太巻きのほか、「インスタ映え」する恵方巻き風ロールケーキなど、工夫を凝らした商品が注目を集めている。
イオンモール徳島(徳島市南末広町)の総合スーパー・イオンスタイル徳島は、「ミシュランガイド東京」で最高評価の三つ星を7年連続で獲得している「鮨(すし)よしたけ」監修の恵方巻き「極(きわみ)」(税別980円)を売り出す。
うま味たっぷりの漬けマグロや口当たりのいい卵焼き、食材に合わせて作った酢飯など、有名店の技が詰め込まれている。昨年、本州と四国の約400店で売り切れが相次いだ商品で、戸崎学商品課長は「今季初参入の徳島で四国一の売り上げを目指す」と力を込める。予約は29日午後8時まで。節分当日も販売する。
県内スーパー大手のキョーエイ(徳島市)の目玉商品は、大安の11日に美波町の薬王寺で無病息災を祈願した6万5千枚ののりを使った恵方巻き。複数の種類が味わえるセットなど「祈祷のり」で巻いた31種類を各店に並べる。31日まで予約も受け付ける。島田俊哉惣菜(そうざい)部長は「御利益がありますように」。
スイーツ業界にも市場が広がっている。洋菓子店「ロワゾーブリュー」と「ロールカフェ」を徳島市内4カ所で展開する四国メディカルサポート(同市)は、太巻きに似せたロールケーキ「恵方巻ロール」(税別600円)を予約販売する。2月1日締め切り。
生クリームを酢飯、キウイフルーツをキュウリなどに見立てて、竹炭の粉末を練り込んだ黒い生地で包んだ。清水竜平統括マネジャーは「遊び心満載の一品。会員制交流サイト(SNS)などでも話題になれば」と期待している。
恵方巻きは、節分にその年の縁起がいい方角を向いて無言で丸かぶりすると福を招くとされる。江戸時代末期、大阪の商人が商売繁盛を願って食べたのが始まりとするなど起源は諸説ある。今年の恵方は南南東。