海陽町船津の陶芸家梅田純一さん(67)が、2月6~12日に金沢21世紀美術館(金沢市)で、芸術仲間2人と高さ4メートル、幅26メートルの壁画を展示する。書道や華道と共演した作品で、300枚の絵皿と48個の花器をちりばめ、命と愛、平和を表現する。
作品は、梅田さんが2012~14年に制作した絵皿壁画「夜桜」「千羽鶴飛翔」「蝶」(いずれも高さ3・5メートル、幅7・2メートル)の3作品を組み合わせる。3作品の絵皿(直径30~50センチ)計300枚はいったん取り外し、新たに一枚物の壁画を描き直して、改めて絵皿を取り付ける。
絵画には、いろは歌の48文字がそれぞれ書かれた花器も飾る。梅田さんの芸術仲間で書道家の白井佳象(かしょう)さん(京都府)が揮毫(きごう)し、梅田さんが字の形に合わせた花器を作った。
花器には華道家の高瀬雄樹さん(東京都)が多彩な花を生け、躍動感あふれる作品に仕上げる。
梅田さんらは16年秋ごろに3人で集まった際、意気投合し共同制作することになった。横長の大型アートが展示できるスペースのある美術館を国内で探したところ、金沢21世紀美術館に行き当たり、企画展を申し込んだ。
梅田さんは東京都出身で、良好な制作環境を求めて1993年に海陽町に移住した。平和や生命、自然との調和をテーマにした作風が多く、町立博物館や沖縄県の平和祈念資料館などで企画展を開いている。
梅田さんは「壁画3作品を一緒に展示するのは初めて。多くの人に見てもらいたい」と話している。