徳島県で2017年に運転免許証を自主返納した高齢者が、過去最多の2964人に上った。前年比で1207人増えた。県警は、同年3月施行の改正道交法で高齢ドライバーへの認知機能検査が強化されたことなどが影響したとみている。

 運転免許課によると、返納数は529人だった13年から増え続けており、14年から4年連続で過去最多を更新した。特に17年の返納数の伸びが大きく、前年比で初めて千人以上の増加となった。

 要因の一つは、75歳以上のドライバーが免許更新時などに課せられる認知機能検査の強化。法改正以降、同検査で「認知症の恐れあり(第1分類)」と判断された501人のうち、165人が免許を自主返納した。

 返納せずに最終的に免許取り消しになったのはわずか2人で、多くが自主返納を選んでいる。同検査を受けることが、免許返納について考える大きな機会になったようだ。

 一方、県警は自主返納をしやすいようにと、日曜返納窓口を17年1月から運転免許センター(松茂町)に開設し、9月からは家族らによる代理返納制度を導入した。12月末までに日曜窓口は223人、代理返納は33人が利用した。

 同課は「事故防止のため、運転に不安を感じるようになったら自主返納を検討してほしい」とした上で、注意すべき症状として▽運転中にウインカーを出し間違う▽歩行者や障害物に注意がいかなくなる▽車庫入れで塀や壁にこすることが増える-などを挙げる。

 自主返納に関する相談は運転免許センター<電088(699)0110>で受け付けている。