月全体が地球の影に入る「皆既月食」が31日夜、全国各地で観測された。徳島県内はあいにく雲の多い天気だったが、赤銅色の月が時折姿を現し、幻想的な天体ショーが見られた。県内で皆既月食が観測できたのは、2015年4月4日以来約3年ぶり。
午後8時48分、東の空に浮かぶ月が欠け始め、同9時51分から1時間余りにわたって地球の影に完全に隠れた。その後、徐々に地球の影から出て、1日午前0時12分、満月に戻った。徳島駅前ではワシントン椰子(やし)の合間から、赤く染まった皆既月食が見られた。
阿南市那賀川町の市科学センターでは特別観望会が開かれ、市内外の親子連れら約120人が参加。観望デッキや天体観測室で望遠鏡をのぞき込み、宇宙の不思議を堪能した。
雲一つない南東の空で皆既月食が起こると、子どもたちは「すごい」「きれい」と歓声を上げた。羽ノ浦小学校1年の裏田一颯君(7)は「いつもの月と色が違っていて、不思議だった。はっきり見えたので良かった」と満足そうだった。
月食は太陽、地球、月が一直線に並んだ際に、地球の影の中を月が通過する現象。次に皆既月食が観測できるのは7月28日。