阿南発電所の1、2号機付近。手前の建物がタービン建屋で、その裏の骨組みの構造物がボイラー=阿南市橘町幸野(四国電力提供

 四国電力の佐伯勇人社長は30日の定例会見で、石油火力の阿南発電所1、2号機(阿南市橘町幸野)を、3月をめどに廃止すると発表した。いずれも半世紀以上前に運転を開始し、高度経済成長期の電力需要を賄ってきたが、老朽化に伴い近年は使われなくなっていた。今年上半期に準備工事に着手して2~3年後にボイラーの解体を終える。

 1号機は出力12万5千キロワット。1963年7月に運転を開始した。2002年4月以降は稼働しておらず、現在は運転再開の見込みがない「長期計画停止」の状態で、維持管理のため最低限の手入れをするだけとなっていた。

 2号機は出力22万キロワットで、1969年1月に運転を始めた。2005年に長期計画停止となったが、東日本大震災後の全原発停止などに対応するため、運転を3度再開。16年8月から長期計画停止となっている。

 これまでに発電した電力量は、1号機が98億3千万キロワット時、2号機が184億2千万キロワット時で、合計すると一般家庭90万軒が1年で使う電力に相当する。

 四電によると、特に1号機は老朽化が著しく、維持管理費用が年間1億円ほどかかっている。運転を再開するには1号機で工期3年と経費100億円、2号機で2年と数十億円が必要となる。将来の電力需給見通しから、両設備がなくても十分な供給力を確保できると判断して廃止することにした。跡地利用は決まっていない。

 阿南発電所は石油火力の発電設備が4基あり、3号機(1975年運転開始、出力45万キロワット)と4号機(1976年、45万キロワット)は引き続き稼働させる。

 四電の火力発電所の廃止は01年の松山発電所以来。阿南1、2号機の廃止で、四電の発電設備容量は577万6千キロワットから543万1千キロワットとなり、6%減少する。