アルコール消毒やマスク着用などインフルエンザ対策を徹底している「仙寿園」の職員=徳島市住吉4

 インフルエンザが猛威を振るい、高齢者らが集団感染して死亡するケースが全国で相次ぐ中、徳島県内の高齢者施設も感染拡大に警戒を強めている。県感染症・疾病対策室によると、30日時点で集団感染や重症、死亡例は確認されていないが、これから本格的な流行期に入るため、各施設に対策強化を呼び掛けている。

 今年に入り、兵庫県・淡路島の2カ所の高齢者施設で入所者と職員が集団感染し、71~99歳の男女計8人が死亡した。徳島市の特別養護老人ホーム「仙寿園」を運営する社会福祉法人・白寿会の大西智城本部長は「県外のような集団感染はいつ起きるか分からない」と危機感を募らせ、感染予防に厳戒態勢を敷く。

 全職員と、家族の同意を得た入所者に予防接種を受けてもらったほか、職員には出勤時に健康状態を自己申告させている。今冬はまだ感染者は出ていないが、大西本部長は「もし感染が広がるようなら面会制限を検討したい」としている。

 県北部の高齢者施設でも予防接種や健康チェックを実施。通所者に対応する職員にはタミフルの予防投薬を推奨している。面会者には手指のアルコール消毒やマスク着用を徹底してもらい、インフルエンザにかかりやすい子どもの面会をできる限り断っている。

 施設長は「例年に比べると流行が早い。目に見えない『相手』だけに衛生管理と職員の健康管理に気を使っている」と話す。

 県西部の特別養護老人ホームでは面会者に玄関で検温を義務付けており、37度以上の熱があったり、せき込んだりしている人は面会できない。

 県によると、20日までの1週間に県内37定点医療機関から報告があった患者数は1370人で、944人だった前週(7~13日)から1・5倍に増加。24日には県内全域にインフルエンザ警報が発令された。

 県感染症・疾病対策室の岩田美枝係長は「過去の統計をみてもインフルエンザはこれからが本格的な流行期。高齢者施設で複数の入所者が罹患した場合は、早め早めに保健所に相談してほしい」と訴えている。