映画「虹色の朝が来るまで」の一場面。右が長井さん((C)2018 JSLTime)

 徳島市出身の長井恵里さん(22)=埼玉県川口市、会社員=が主人公役を務めた映画「虹色の朝が来るまで」(63分)が11日、徳島市のふれあい健康館で県内で初めて上映される。耳の不自由な性的少数者(LGBTQ)が抱える苦悩をテーマにした作品。自身もろう者の長井さんは「少数者への理解が深まるきっかけになれば」と来場を呼び掛けている。
 
 手話サークルで出会った女性と恋に落ちた主人公が、周囲の偏見に悩みながら自分の居場所を見いだしていくストーリー。昨年7月に公開。東京や福岡、香港など国内外の映画祭で上映されている。

 ろう者で性的少数者の今井ミカ監督(30)が「同じような悩みを抱える人たちの心の支えになるような作品を」と企画。これまではろう者向けの無音映画を制作してきたが、健常者にもこの問題を考えてもらおうと、初めて音響や音楽を取り入れた。

 長井さんは徳島県立ろう学校(現・徳島聴覚支援学校)を経て香川県内の大学を卒業後、都内のIT企業で働いている。大学3年生だった16年、ろう者向けのインターネット配信番組に出演したことがきっかけで今井監督の目に留まり、出演を依頼された。

 撮影や役作りを通じ、相手の性にとらわれずに人としての魅力に目を向けるべきだと考えるようになったという長井さん。「性的少数者の気持ちを少しでも理解すれば、世界はもっと優しくなれる。観客に新しい気付きや発見があればうれしい」と話している。

 上映は午後2時半から。無料。定員200人で、整理券が必要。同1時半から今井監督や長井さんらを招いたトークショーがある。問い合わせは県聴覚障害者福祉協会<電088(631)1666>。