板東俘虜収容所跡に設置された説明板=鳴門市大麻町

 徳島県鳴門市は31日、板東俘虜収容所跡(大麻町)に、ドイツ兵捕虜の将校棟や製パン所の遺構などを紹介する説明板9基を設置した。昨年10月の国史跡指定を受け、見学者への案内を充実させた。

 説明板は縦60センチ、幅1メートル。下士官以下の捕虜が暮らした木造トラス構造の兵舎棟、松江豊寿所長ら日本兵の管理棟、飲食物や日用品を販売した酒保(売店)の便所を日本語、英語、ドイツ語で解説している。当時の写真や捕虜が描いたスケッチも添え、現存するレンガ基礎などの近くに据えた。

 捕虜がベートーベンの交響曲「第九」をアジア初演した講堂の跡地にも、本年度内に1基設置する。

 事業費は115万6千円で、ふるさと納税の寄付金を財源に充てた。10日午後1時から市教委の学芸員が収容所跡を案内するウオーキングを開く。

 板東俘虜収容所は、第1次大戦で捕虜となったドイツ兵約千人を収容。捕虜には自発的な活動が許され、地元住民とも交流した。市の調査で給水施設など16施設の遺構が確認されている。