県秋季大会3位決定戦の4回、左中間二塁打を放ち、勝ち越しのチャンスをつくった坂本=昨年10月、鳴門オロナミンC球場

 徳島県秋季大会準決勝で徳島商に惜敗した富岡西は3位決定戦に回った。四国大会に進むには負けられない一戦だが、準決勝を終えた選手の表情は暗かった。肩を落とす選手に小川監督は声を掛けた。「夏の大会と違って、あしたも試合ができる。まだ四国大会に行くチャンスはあるぞ」と奮起を促した。

 指揮官は、準決勝の試合前から負けた場合に備えて、選手の気持ちの立て直しを考えていた。1年前の県秋季大会でも3位決定戦を戦ったものの、選手はうまく切り替えられず敗れたからだ。

 準決勝の敗戦から一夜明けると、監督に鼓舞された選手の表情は明るかった。現チームの選手はもともと切り替えが早い上、同じ状況を1年前に経験していることもあり、前日の試合を引きずった様子はなかった。

 3位決定戦の対戦相手は5年ぶりの選抜出場を狙う池田。富岡西は幸先よく1点を先制したものの、二回に浮橋が池田打線に捕まる。四球に3本の長短打を浴びて3点を奪われ、試合をひっくり返された。なお1死一、二塁のピンチが続く。

 これ以上失点は許されない場面でバックがもり立てた。捕手の中西副主将は「ゴロを打たせればダブルプレーが取れる」と考えた。遊撃手の久龍、二塁手の木村も自信を持って構えていた。

 久龍がほぼ正面へのゴロをさばき、二塁の木村へ。木村は一塁の前川へ素早く送球し併殺が完成。相手の勢いを止めるとともに試合の流れを引き戻した。久龍は「練習からイメージしていた通りにプレーができた」。守備練習や秋季大会を勝ち上がるにつれ、得た経験が落ち着きをもたらしていた。

 ピンチをしのいだ直後、攻撃が勢いづく。山﨑、木村が出塁すると、「リードされても焦りはなかった」と坂本主将の一打で同点。四回に勝ち越し、その後も加点して着実にリードを広げた。

 連投の疲れがあった浮橋もバックの奮闘に応える。三回以降は球威が戻り、被安打はわずかに1という好投で締めた。前回大会も旧チームでエースナンバーを背負っていた浮橋は「先輩の悔しさを晴らせた」と話す。

 池田に勝って甲子園出場の重要な資料となる四国大会に11年ぶりに駒を進めた富岡西。チームの戦い方が固まり、ナインは自信を深めていった。