徳島県内で2017年に発生した人身交通事故のうち、横断歩道や交差点を渡る人を車がはねた事案は146件で、前年を69件下回り過去10年間で最少となった。県警は、車が歩行者や自転車の横断を妨げる「横断歩行者妨害」の取り締まりを強化したことが事故の減少につながったとみており、引き続き交通ルールの順守を呼び掛けていく。

 県警によると、県内で発生した横断歩行者妨害による人身事故と摘発件数の推移は《グラフ》の通り。事故は08~13年はほぼ横ばいで、平均243件発生していた。17年の事故のうち、死者は前年比4人減の1人、信号機のない横断歩道で起きた事案は61件減の33件だった。

 一方、横断歩行者妨害による摘発は14年から大きく増え、17年は前年比179件増の605件に上った。

 道交法では、歩行者が横断歩道や自転車横断帯、交差点を渡ろうとしていれば、ドライバーは一時停止しなければならないと定められている。摘発されれば、交通違反切符(青切符)が交付され、普通車の場合は反則金9千円を支払う。

 県警は、歩行者が巻き込まれる事故が後を絶たないため、13年11月に各署の交通課員らを「歩行者妨害・自転車違反取り締まりマイスター」に指定。17年は「交通マナーアップ元年」と位置付け、学校や高齢者施設の近くにある横断歩道を中心に取り締まり、指導を強化させたほか、キャンペーンなどの啓発活動も進めた。

 県警交通企画課は「今後も事故の減少に努めたい」としている。