徳島県内の官民でつくるコウノトリ定着推進連絡協議会は8日、鳴門市大麻町のペアが6日までに産卵し、抱卵に入ったと推定されると発表した。同ペアによる産卵は3年連続で、巣は同じ電柱の上。ふ化は3月中旬とみられる。昨年は2月16日に産卵が確認され、6月上旬に幼鳥3羽が巣立った。
協議会は、巣の近くに設置している観察カメラの映像や調査データを基に、兵庫県立コウノトリの郷(さと)公園(豊岡市)などと協議し、産卵した可能性が高いと判断した。
県によると、1日7時間以上の調査で、親鳥が2羽ともに10分以上巣を離れず、調査時間の50%以上巣に伏せていたら産卵の可能性が高く、80%以上になると本格的な抱卵に入ったとされる。
2羽が巣に伏せていた割合は4日が18%、5日が28%だったものの、6日は70%、7日は71%になった。6、7日とも2羽が同時に巣を離れることはなかった。
8日午後3時50分ごろ、巣では雌が伏せており、時折立ち上がるなどした。再び伏せる際には、体を揺すりながら座る抱卵時の伏せ方が見られた。
2016年は繁殖に失敗。昨年は1971年に国内で野生種が絶滅して以降、豊岡市とその周辺地域以外では初めての野外繁殖となった。
コウノトリの郷公園によると、今年、野外の個体が産卵するのは初めて。
協議会の竹村昇会長(65)は「昨年の経験があるので今回も巣立たせてくれるだろう。親鳥を刺激したり巣に近づいたりしないようマナーを守ってほしい」と話した。