徳島駅前のポッポ街東口と、東口のビル屋上に掲げられた二つの広告看板のスポンサー企業が現れず、県都の玄関の寂しい状況が続いている。東口の看板は、商店街振興組合が2013年6月に設けてから一度も使われたことがない。ビル屋上の看板も約4年間、広告主が見つかっていない。振興組合の杉原正伸理事長(58)は「広告は地域の景気やにぎわいを映す側面もあり、早く埋まってほしい」と気をもむ。
商店街東口の広告看板は縦4・5メートル、横3・9メートルで、下部に商店街のキャラクター「ポッポ君」の絵が描かれている。
杉原理事長によると、1カ月間のレンタル(10万円)、1年契約(100万円)、3年契約(255万円)、5年契約(350万円)を軸に広告主を探しているが、見つからない。問い合わせがあっても、大半がギャンブル関係の企業からで、近くに小学校があるため遠慮してもらっている。正方形に近い形が「使いにくい」との指摘もあった。
東口入り口にある「阿波けんどビル」(9階建て)屋上の広告看板は四方に広告を載せるタイプで、1面が縦7メートル、横8・5メートル。金融関係の広告主が撤退し、空いたままになっている。30年ほど前は全面の年間使用料が1千万円ほどだったというが、値下げして年間250万円前後で交渉している。
ビルオーナーの篠原孝憲さん(48)は「駅前という立地や周辺の状況を考慮するとこれ以上は値下げできない」と話す。
県内の他地域の広告事情は堅調という。1500近い看板の仲介を行う会社は「建築や医療を中心に引き合いが強く、ニーズは上向き。取り扱う広告看板はほぼ埋まっている」とする。最近は人手不足を反映し、人材募集広告の需要が高まっている。