大杉さんと映画を撮影したときの思い出を語る浜野監督(中)=徳島市シビックセンター

 昨年2月に急逝した小松島市出身の俳優大杉漣さん=享年(66)=の出演作「百合子、ダスヴィダーニア」が2日、一周忌追悼企画として徳島市シビックセンターで上映され、約180人が訪れた。トークイベントでは、作品を手掛けた鳴門市出身の映画監督、浜野佐知さん(70)=静岡市=が故人の思い出を語った。

 映画は、近代文学史に名を刻む湯浅芳子と中條(宮本)百合子の女性作家同士のラブストーリーで、大杉さんは百合子の夫役を熱演。2011年に公開され、浜野さんと大杉さんがコンビを組んだ最初で最後の作品となった。

 トークイベントで浜野さんは「徳島新聞の新春座談会(00年元日付)で、漣ちゃんと『いつか一緒に仕事がしたいね』と約束したのがこの映画のきっかけになった」とエピソードを披露。撮影当時、大杉さんが休日を利用して出演者やスタッフに食事を振る舞った様子を振り返り、「本当に優しくて気遣いのできる人だった」と懐かしんだ。

 2人で徳島を舞台にした映画を撮る夢はかなわなかったが、浜野さんは「漣ちゃんとこの映画を残せたことが宝物になった」と語った。