徳島県議会2月定例会が15日、開会した。人口減少対策など地方創生関連の取り組みに重点を置いた2018年度一般会計当初予算案(4871億1300万円)など74議案を上程し、飯泉嘉門知事が所信表明した。知事は、17年度限りで廃止する「とくしま記念オーケストラ」事業に替え、今後はクラシック音楽と邦楽、ジャズを「あわ3大音楽」とし、推進していく考えをあらためて強調した。21日から本会議を再開し、代表・一般質問に入る。会期は3月13日まで。

 知事は、ベートーベンの交響曲「第九」のアジア初演100周年を記念し、12日に徳島市で記念オケ最後となる演奏会を開催したことを報告。「今後は多くの方々の意見をしっかりと踏まえ、クラシックのみならず邦楽やジャズを加えた『あわ3大音楽』に、より一層の磨きをかけ、県民主役の文化活動を促進していく」と述べた。

 記念オケを巡っては、演奏家を派遣していた音楽プロダクション「アンサンブル・セシリア」(東京、解散)と元代表取締役川岸美奈子被告(58)による脱税事件を機に、事業費の流れの不透明さや音楽事業のクラシックへの偏重など数々の問題点が浮上。記念オケ事業を廃止することになった。

 同時に、事業費を拠出してきた「文化立県とくしま推進基金」を17年度で廃止し、予算や決算時に議会のチェックを受ける新しい基金を18年度に設置する。18年度の音楽事業としては、県内のアマチュアオーケストラによる音楽祭、邦楽やジャズの県内若手奏者による演奏会、ワークショップなどを予定している。

 県提出議案のうち、国の補正予算と連動した公共事業中心の17年度一般会計補正予算案(106億7130万円)を先議し、全会一致で可決した。