第8回システィーナ歌舞伎「GOEMONロマネスク」(大塚国際美術館主催、徳島新聞社共催)が15日、鳴門市の同館システィーナ・ホールで開幕した。2回の公演に約800人が訪れ、和と洋の融合した迫力の舞台に見入った。18日まで。
物語の舞台はスペイン。大泥棒・石川五右衛門の父カルデロンが奈桜(なお)と出会い心引かれるが、奈桜の思い人フェルナンデスの刃で命を落とし、五右衛門が復讐(ふくしゅう)を誓う。人気役者の片岡愛之助さんが五右衛門とカルデロンの2役を演じ、奈桜役に中村壱太郎(かずたろう)さん、フェルナンデス役に元宝塚トップスター彩輝(あやき)なおさんが華を添える。
バチカンのシスティーナ礼拝堂を再現したホールで、出演者が邦楽、洋楽に合わせて舞やフラメンコを披露。愛之助さんが2階の出窓から登場し「絶景かな、絶景かな」と名ぜりふを叫ぶ場面や、華麗な大立ち回りを繰り広げるクライマックスでは、観客から盛んな拍手が送られた。
母親と観賞した徳島市の主婦松田縁(ゆかり)さん(34)は「舞台と客席が近くて迫力は十分。物語が進むにつれてのめり込んだ」と話した。