徳島ヴォルティスのMF大﨑淳矢選手が、20日のレノファ山口戦で、クラブ2人目のハットトリックを達成した。この試合で得点とともに、注目を集めたのはゴール後のパフォーマンス。1点目、2点目を決めた後、ともにコーナーフラッグに駆け寄り、フラッグをつかむパフォーマンスを見せた。どこかで、見え覚えのある光景。本人に話を聞いてみると、やはり偉大な先輩が関係していた。
◆ゴールパフォーマンスは尊敬の意から
ゴールパフォーマンスについては「よく聞かれます」と話す大崎選手。「寿人さんがよくやっていたので、尊敬の意を込めて」と説明してくれた。FW佐藤寿人選手(現・名古屋グランパス)は、サンフレッチェ広島で一緒にプレーし、J1で歴代2位のゴール数を誇る屈指の点取り屋。大﨑選手にとって、プロ選手となる礎を築き、プロデビューを果たした広島時代の偉大な先輩だ。
◆佐藤寿人選手は憧れでもあり、目指すべき姿
大﨑選手は、富山県の中学を卒業後、2007年に広島の育成組織であるユースに入った。2009年に2種登録選手として、Jリーグデビューを果たすと、10年にトップチームへ昇格。13年に徳島に移籍するまでの6年間、佐藤寿人選手のプレーは間近にあった。「一番スーパーな時を見てきた。憧れでもあり、目指すべき姿だった」。この期間、佐藤選手はリーグ戦で98ゴールを挙げ、08年にJ2得点王、2012年には、J1でも得点王を獲得。広島をJ1でのリーグ初優勝に導き、リーグMVPにも輝いた。「同じ点を取るFWの選手としては、とんでもない能力を持っていて、そんな簡単にゴールを決めてしまうのかという選手でした」と話す。
◆「寿人さんがよくやっていた動き」 山口戦のゴール
佐藤選手は身長170センチで、大﨑選手は168センチ。体格は似ていて、決して大きくはない体で、ゴールを量産する佐藤選手の動きを観察してきた。「なぜあんなに点が取れるのか、タイミングだったり、駆け引きだったり、すごく(そういった動きを)しているので、学ぶところはたくさんありました」と振り返る。山口戦の1点目は、左からの速いクロスを、DFとGKの間に飛び込んで合わせたゴール。「寿人さんがよくやっていたのを見ていました」と憧れの先輩の動きを参考にしたものだ。大﨑選手は「寿人さんみたいに感覚的には動けないけれど、考えながらやっていこうかなという感じです」と、ゴールを狙っていく。
◆ゴールパフォーマンス「今後も続けたい」
ゴールパフォーマンスに関しては、いろいろな人からよく聞かれるそうで、佐藤選手にも直接伝えると「うれしい」と喜びの言葉が返ってきたという。先日もハットトリックを達成し、祝福のメールが届いた。尊敬する先輩を意識したパフォーマンスは「ちょっと続けていこうかなと思っています」と大崎選手。得点とゴールパフォーマンスで、スタジアムを熱く盛り上げてくれそうだ。
26日の山形戦に向け、大﨑淳矢選手らが意気込みを語っています。
(2017年8月24日)