独立行政法人国立病院機構が、徳島病院(吉野川市)を閉鎖し、東徳島医療センター(板野町)に機能を移転する再編方針を固めたことが16日、分かった。再編後の病床数は現行の630床より154床減り、476床となる。両病院の施設の老朽化が進んでいる上、国の医療費や病床の削減方針に沿って判断した。徳島病院の閉鎖時期は決まっていないが、1939年の開院から70年を超える歴史に幕を下ろす。
徳島病院の病床数は300床、東徳島医療センターが330床。このうち、医療センターで現在使われていない54床を無くし、徳島病院の200床をセンターに移す。
再編後の病床は、急性期40床、回復期60床、慢性期356床、結核20床。国立病院機構は「現在の稼働率を基に算出した」と説明している。徳島病院の医師や看護師、職員の雇用は継続し、医療センターへの異動を促す。
徳島病院では、全身の筋肉が徐々に萎縮する筋ジストロフィーなどの難病治療を行っている。通院、入院中の患者については、本人の意向を聞いた上で医療センターで治療を続けてもらう。
統合後、医療センターは現在の12診療科から、眼科、歯科、神経内科の3科が加わり手狭になるため、施設の改修を計画している。徳島病院の跡地についても利用法を検討する。
同機構は、両病院で医師が不足し、慢性期の患者数が多いという共通点を挙げ「(再編後の)機能を充実強化し、施設を将来も継続させたい」としている。
再編案は、県や医療関係者でつくる県地域医療構想調整会議に提出した。
徳島病院の一日平均の利用者数は入院患者239人、外来98人、医療センターは入院231人、外来174人(いずれも2016年度)となっている。