県警が貸し出している自動通話録音機

県警が貸し出している自動通話録音機

 特殊詐欺被害を防ぐため、徳島県警が昨年7月から高齢者に無償で貸し出している「自動通話録音機」の効果についてアンケートしたところ、回答者の94・2%が「効果がある」と答えた。設置後、不審電話が減少する効果もみられており、県警は貸し出し数を増やすかどうか検討する。

 生活安全企画課によると、アンケートは昨年12月15日~1月19日、録音機を設置した65歳以上の高齢者251人を対象に実施し、このうち242人が回答した。

 228人が「振り込め詐欺などの被害防止に効果がある」とし、196人(81・0%)は「録音機の設置後、不審電話が減った」と答えた。「不審電話が増えた」との回答はなかった。「振り込め詐欺などの被害に遭ったか」という質問には全員が「なし」とした。

 214人(88・4%)は「今後も録音機を設置したい」としたが、「友人や知人から、通話内容を録音されることに抵抗があると言われた」などとする意見があった。

 録音機は、登録していない電話番号から着信があると、自動音声で「この電話は振り込め詐欺などの犯罪被害防止のため会話内容が録音されます」とのアナウンスが流れ、通話内容を録音するシステム。声を証拠として残すのを嫌う犯人側に電話を切らせる「撃退効果」があるとされる。

 県警が昨年7月以降、録音機設置者から確認できた着信2万7720件のうち、アナウンスが流れて録音を始めるまでの間に電話が切られたのは9487件(34・2%)だった。

 県警は「アンケートの結果や特殊詐欺の発生状況を踏まえて、録音機の設置を拡大するかどうか検討したい」としている。