徳島県は主要観光地の一つ、鳴門公園(鳴門市)にある公衆トイレ1カ所を有料化する実証実験に取り組む。使用料を原資に、清掃を頻繁に行って清潔さを保ち、イメージアップを図るのが目的。利用状況や利用者の声をもとに効果を見極める。トイレの改修費など1250万円を2018年度当初予算案に盛り込んだ。

 有料化するのは同公園内の千畳敷展望台にあるトイレ。増加が見込まれるインバウンド(訪日外国人旅行者)に対応して洋式化し、多言語表記にする。高齢者や障害者らにも使いやすいユニバーサルデザインとし、冷暖房や消臭機能も導入。阿波藍製品やLED照明を採り入れ、徳島らしさもPRする。

 トイレの出入り口に使用料徴収システムを設置し、料金を払った人だけ入れるようにする。1回当たりの使用料は、他県の先進事例や地元関係団体の意見を参考に決める。集まった使用料を活用して清掃を小まめにするなど、維持管理レベルを向上させ、快適さを保つ。

 同公園内には国管理の公衆トイレが1カ所、県管理の公衆トイレが千畳敷展望台を含め5カ所ある。県は18年度中に実験の効果を検証し、他の観光地でも採用できるかどうか判断する。

 県環境首都課は「暗い、汚い、臭い(3K)と言われる公衆トイレのイメージを一新し、徳島の表玄関である鳴門公園の魅力アップにつなげたい」としている。