那賀町は20日午後、鷲敷地区の約8割に当たる1025世帯2457人を対象に21日午後2時から断水すると発表した。1月下旬から雨が降らず、20日午後9時に地区内の浄水場2カ所の水位がゼロになり、給水できなくなっている。解除時期は未定。町は21日に阿南市に給水車を要請するなどして対応に当たる。
町によると、断水するのは同町中山を除く鷲敷地区の全域。断水対象世帯は中山公民館が唯一の給水場所となっている。町内での大規模な断水は初めて。
鷲敷地区では千カ谷川とさくら谷川から浄水場に引いた水を浄化し、各戸に給水している。町は渇水が断水の原因と説明しているが、水道管などから漏水している可能性があるという。
町は20日午後5時半、「21日午後2時から断水を始める」と、各世帯に設置されている音声告知端末を通じて周知した。その後、水道の使用量が増え、浄水場の水位が低下していった。
町役場鷲敷本庁舎には住民から問い合わせの電話が相次ぎ、職員が対応に追われており、給水場所の中山公民館を案内するなどしている。
環境課の岡川雅裕参与は「(川や浄水場の)水位を見ながら判断したが、ここまで深刻になるとは思わなかった」と話した。