ブロック塀の倒壊の危険性を調べる上月教授(右)ら=2018年1月、小松島市和田島町

 徳島大環境防災研究センターの上月(こうづき)康則教授(地域防災学)が徳島県小松島市和田島町をモデル地区に実施していたブロック塀の耐震性調査で、99%が安全性に問題があることが分かった。上月教授は、南海トラフ巨大地震で想定される震度7の揺れに見舞われると、大半が倒壊する恐れがあると指摘。「安全度不足の塀は県内全体で相当な数に上ると思われる。社会全体で対策を考えていく必要がある」と訴えている。
 
 調査は2017年末から昨年夏にかけ、上月教授や建築士らが住民の同意を得た429カ所を対象に、塀の高さや傾き、損傷具合、鉄筋の有無などを調べた。

 上月教授によると、このうち安全性に問題がなかったのはわずか2カ所だけ。高さ1・2メートル以上の塀を支え、強度を高める「控え壁」が411カ所(96%)で設置されておらず、155カ所(36%)でひび割れ、129カ所(30%)で損傷が確認された。

 問題のあった塀の所有者を対象にアンケート(83人回答)も行った。対策を進めるための方策として、58人が「行政の補助金が必要」などと経済的支援を挙げた。

 今後は、地区防災計画学会の学会誌に論文を発表するほか、徳島大で報告会を開いて啓発に役立てる。

 上月教授は一部自治体で塀撤去への民間補助制度が拡大しているのを評価した上で「官民が連携し、まずは通学路などから危険箇所をなくす取り組みが求められる」と話している。

 ブロック塀の安全性を巡っては、建築基準法で「控え壁の設置」「高さ2・2メートル以下」などの基準が定められている。昨年6月の大阪府北部地震で小学校のブロック塀が倒れ、登校中の女児が死亡したケースでも控え壁が設置されていなかった。