とくしま記念オーケストラ事業に絡む脱税事件で公判中の東京の音楽プロダクション元代表取締役、川岸美奈子被告(58)が県内移動の際に利用していたハイヤーの代金以外にも、演奏会の準備の経費などを「共通的な経費」として、事業費とは別枠で県文化振興財団が支出していたことが、22日の県議会2月定例会本会議で分かった。達田良子氏(共産)の質問に田尾幹司県民環境部長が答えた。

 ハイヤー代を巡っては、財団が2013~16年度の4年間に計765万円を支出していたことが徳島新聞の情報公開請求で判明。大半は川岸被告が使用していたとみられる。

 達田氏は「川岸被告の飲食代や航空機代、お土産代なども財団が支出していたのではないか」と質問した。

 田尾部長は、経費については基本的には各演奏会の主催者間で負担しているとした上で「演奏会の構想段階のさまざまな検討、準備に要する経費や、数会場で現場調整を行う場合など、共通的に支払われる経費については総合調整を担う財団が支出してきた」と説明した。

 「共通的な経費」は財団の経費から支出しており、田尾部長は「オーケストラの運営に不可欠な事務的経費や旅費などをはじめ、必要な経費が適切に支出されていると認識している」と述べるにとどまり、具体的な支出費目は明かさなかった。

 とくしま文化振興課は「共通的経費として何にいくら支出されたのかは、調べないとすぐには分からない」としている。