「喜んでもらえるだけで幸せ」と寄付についての思いを語る切中さん=阿波市土成町の老人ホーム御所園

 阿波市土成町秋月の無職切中静子さん(71)が、阿波、吉野川両市の高齢者施設に福祉車両や車いすを贈り続けている。母が地元の老人ホーム・御所園に通い始めたのがきっかけだ。多くの利用者に役立ててもらおうと、こつこつためた貯金を取り崩し、寄贈額は7年で1千万円を超えた。「高齢者の笑顔を見るのが喜び」と、2014年3月に母が90歳で亡くなった後も続けている。

 切中さんは大阪府四條畷市出身。阿波市阿波町の実家にUターンしていた父義弘さん=08年6月、83歳で死去、母圭子さんと暮らすため1994年に移住した。

 車いすを利用していた圭子さんが御所園に通い始めたのが縁で寄付を始めた。当時、施設には車いすのまま乗車できる大型の福祉車両が1台しかなく、2011年9月と12年7月に1台ずつ贈り、多くの車いす利用者が通所回数を増やせるようになった。

 切中さんは11年9月から御所園で週4回、ボランティアスタッフとしても活動。高齢者の話し相手になる中で「大型テレビが欲しい」といった要望にも応えた。

 御所園のほか、圭子さんが利用したデイサービスセンター一休さん(阿波市土成町)や鴨島病院(吉野川市鴨島町)にも寄付。昨年9月までに8回にわたり、大型テレビや車いす、歩行器など計50品を3施設に贈った。

 切中さんは「いろんな人に役立ってほしいという思いだけで続けている。喜んでくれれば幸せ」と話した。