サッカーJ2の徳島ヴォルティスの試合中継でピッチリポーターを務め、四国放送の情報番組「ゴジカル!」で「ヴォルティス通信」を担当している同社アナウンサーの島川未有さん。今季のヴォルティスの見どころや思いなどを聞きました。
Q.徳島ヴォルティスとの関わりは
関わるようになったのは2013年、J1昇格を果たした年からです。元々、サッカーも好きでしたし、徳島出身なので、地元にクラブチームがあるということで、大学は名古屋だったんですけど、徳島に帰ってきてからは、個人的にも応援して試合を見に行くこともありましたし、結果はいつも注目して見ていました。
2013年に入るまでも何回か仕事で関わりはあり、ラジオの中継やピッチリポーターをやっていたこともありました。ヴォルティス通信は、2013年に1年間ディレクター兼任でやって、その後離れていたんですが、今年、2017年から再び担当しています。
Q.今季のヴォルティスのサッカーの印象は
見ていて、いままでで一番楽しいサッカーだなと思います。攻撃的ですし、試合を見に来たら、勝てなくても面白いサッカーをやっていると感じてくれると思います。1点取られても、取り返してくれるという勢いを感じます。サポーターはやっぱりゴールが見たい。実際に点もたくさん取っていますし、いいゴールを見せてくれています。エースストライカーだけじゃなく、いろんな選手がたくさん得点を挙げてますし、いろんな選手がいろんな形でゴールを決めてくれるのは見ていて楽しいかなと思います。誰がゴールするんだろうという楽しみもありますね。
攻撃的なサッカーで、選手たちも自分たちの良さを生かして、いきいきプレーしていて、やっていて楽しいのだろうなと思います。多くのサポーターの方も感じているように、いまの徳島のサッカーをぜひJ1で見てみたいです。
Q.ピッチリポーターやヴォルティス通信で心掛けていることは
ピッチリポートでは、選手がどんな思いでピッチに立っているか、ヴォルティス通信では、選手が普段はどんな顔で笑うのかな、どんなことが好きなのかなと、いいところを引き出していきたいと心掛けています。そういうのを見て、選手を好きになってもらいたいし、親しみを持ってもらいたい。ピッチリポーターは実況と違って、選手の思いとか状況とかを伝える立場にあるので、そういうのを通して、また、ヴォルティス通信でも、頑張っている選手に親しみを持ってもらって、スタジアムへ試合の応援にきてもらいたいと。もっとみんなにヴォルティスに関心を持ってほしいですね。
Q.注目の選手は
1988年生まれの3人は個性的ですね。キャプテン(岩尾憲選手)と、島屋選手、島屋選手はいろいろと苦労しながら(JFLからJ3、J2と)上がってきて、それに長谷川選手。長谷川選手は、チーム7年目で、入ってきたときは若手でちょっとシャイな感じでした。(J1に)昇格したときもまだベンチだったんですけど、近年、すごく頼もしくて、成長している姿を見ると、さらに応援したくなりますね。
Q.選手の成長も楽しみですか
2013年からいる選手は、ずいぶん少なくなってきたと思うんですけど、藤原選手は、2013年にルーキーとして入ってきて、大﨑(淳矢)選手も同じ年に加入してきて、そのときは若手という立場だっでした。そこから何年か経って、ずっとシーズンうまく出られているわけではなくて、うまくいかないときも経て、心身ともに何か成長しているな、というのがあって。昇格が懸かってきたときにどんな形でチームを引っ張ってくれるのか、注目しています。
Q.リカルド・ロドリゲス監督はどんな人
謙虚でフレンドリーな方です。初の外国人監督でどういうふうにコミュニケーションを取ればいいのだろうかと不安だったんですけど、いつもオープンで、チームの状況がどんなときでも嫌なそぶりを見せないというか、いつでも真摯にインタビューに答えてくれたり、取材陣の一人一人に握手を求めてくれたりします。
Q.これまでで一番の思い出はやはりJ1昇格ですか
自分も初めて本格的にチームに携わった年だったので。国立競技場でピッチリポートもして、ヒーローインタビューもしました。国立もあの年で最後でしたよね。徳島から東京は遠いと思うんですけど、すごいたくさんの人が応援に来てくれて、あの中で中継に携われたのはすごいいい経験になったと思います。
Q.今季も残り10試合です
いま、本当に難しい位置にいますよね。勝ち続けると自動昇格を狙える位置、失速していくとプレーオフ圏外になってしまうというところもあって。危機感をもってやらなければいけない位置だと思うんですけども、2013年以来、リーグ戦終盤になって、こういうドキドキ感が味わえているっていうのはすごく楽しいことだな、幸せなことだなと思います。
2013年は、リーグ戦が終盤にいくほど、(私自身の気持ちが)苦しくなってきて、一戦一戦負けられない、辛いというではないですけど、力が入るというか、緊張感で、押しつぶされそうになりながら祈るような気持ちで毎回やっていました。それが続いて昇格できてという、いい形で、終えられたのはよかったです。うまくいくかどうかは、運もあることですが、そういう気持ちをより多くの人に味わってほしい。地方の小さな街で昇格を狙えるチームはなかなかないですし。
Q.2013年の雰囲気と比べて
チームスタイルや戦い方は違いますけど、サポーターの期待感とかはありますね。選手たちにインタビューしていても、出る言葉から、みんなが毎年、「昇格」「昇格」と言っているんですけど、今年は本当に確信を持って「昇格」という言葉を出して、目指してくれているなと感じています。
Q.スタジアムが少し寂しい
負けるとお客さんが減ってしまう。そうじゃなくて負けているときこそ来てほしい。昇格しそうだから行こうではなく、もっと地域に根差してほしい。負けていようが、勝っていようが集まるクラブもあるじゃないですか、そうやって温かく、クラブを県民たちでもっと盛り上げられるように、協力してやっていきたいなと思いますね。