プロ入り前の2年間を過ごした古巣へ、コーチ兼選手として16年ぶりに戻る。クローザーとしても、精神的な支柱としても期待の大きい39歳は「肩と肘はすごく元気。日本一を奪還して、若い選手にいい思いをさせてあげたい」と気持ちを高ぶらせる。

 昨季の終盤、日本ハムから引退を勧められたが断った。セーブ王に3度も輝いた右腕は2015年に両膝を手術するなど、近年は結果を残せていない。現役続行にこだわったのはこのためだ。「シーズンを頑張ったと思えた上で辞めるのが格好いい。ぼろぼろになってもいいから、もう一花咲かせたい」

 他球団からのオファーがない中、日本通運が「若い選手の手本になってほしい」と早々に復帰を打診。将来はプロの投手コーチに、と思った時期もあったが、すでにプロ入りという目標に到達した選手よりも「これから上(プロ)を目指す選手を育てたいと思うようになった」と話す。「教えながら学べるのも楽しみ」とうなずく。

 駒大卒業後に入社したときは配送業務に携わったが、2度目は野球に専念。170センチの守護神は、剛速球は投げられなくても粘り強さ、巧みな投球術などを後輩に伝え、全国制覇の担い手となる。

 息抜きは海釣り。新チームではゴルフ好きが多いため、「久しぶりにクラブを握ってみようかな。100をたたかないようにしないと」と笑う。千葉県市川市で妻と1男1女の4人暮らし。徳島市出身。