「一人でいる時こそ慎みを持とう」と訴える寂聴さん=京都市

 徳島市出身の作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(95)が21日、京都市の寂庵で法話の会を開いた。新年に臨む心構えとして「人は他人の視線があれば悪いことはできないが、誰も見ていないと何をするか分からない。一人の時こそ恥ずかしくないことをしましょう」と説いた。

 寂聴さんは約160人を前に、51歳で得度する際、作家で師僧の故・今東光氏から「一人を慎みなさい」と諭されたエピソードを紹介。「師僧は私が得度する前にがんを患い、しばらくして亡くなったので、教わったのはそのことだけ。でもその一言で十分にやっていけているのよ」と笑顔を浮かべた。

 自身が出家した経緯を「実は自分でも理路整然と説明できないの」と明かし、「自分自身がうまく説明できないことをするのも人間。だから、あまり思い詰めず楽しんで生きてね」と訴えた。