徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 ロタウィルスは嘔吐、下痢、発熱を主徴とする感染性胃腸炎の代表的なウィルスで乳児が罹ると重症化しやすいのが特徴です。

 ロタウィルス胃腸炎では激しい嘔吐や下痢のために脱水症を起こして重症化しますから、症状が出始めた時から脱水症の予防に努めます。

 脱水症にも軽症のものから重症のものまであります。水分喪失が体重の3%未満であれば脱水症がないか軽症であり、3%から9%以下では軽症から中等症、それ以上になると重症の脱水症です。

 重症の脱水症では意識状態が低下して、経口的にほとんど水分を飲むことが出来ません。心臓や呼吸にも影響が見られ、頻脈や反対に徐脈になり呼吸は早くなったり深くなったりします。眼は深く落ちくぼみ、涙は出ず、口や舌が乾ききって、皮膚のしわがなかなか戻らず、手足が冷たく、皮膚はまだら状で、チアノーゼも見られます。尿も出なくなります。

 このような重症の脱水症ではショック状態の前兆であると考え、すみやかに輸液療法を行う必要があります。軽度から中等度の脱水症では初期に経口補水療法が行われることで重症化を予防します。

 経口補水療法は経口的に少量の水分と電解質を頻回に補給します。嘔吐があっても茶さじ一杯程度の経口補水液を数分おきに与えます。食事は食べやすいものから与え、長期間の絶食にならないように注意します。

 ロタウィルス胃腸炎はワクチンで予防できる病気です。すべての子どもが無料でワクチンを接種できるように早期に定期接種にしてもらいたいものです。