<対談のきっかけ>夢の対談が実現した。きっかけは、チャットモンチーが2012年10月、2人体制になって初めてリリースしたアルバム「変身」。同じ徳島県出身で芸能界の先輩である大杉さんが音楽好きであることを知っていた2人が、大杉さんにコメントを依頼した。大杉さんも快諾し、大杉さんの文章がチャットモンチーのホームページに掲載された。
大杉さんは、自身の父親が2人の出身校である城東高校の校長を務めていた縁について触れ「チャットモに親近感を持っていた」と言う。それに対しチャットモンチーも「憧れの先輩だったのでコメントに感激」と、喜びを語っていた。
しかし、実際は互いに顔を合わせたことはなかったため、大杉さんとチャットモンチーの新春対談を企画した。
■いつまでも変わらぬ 郷里・徳島への思い
初顔合わせながら、一言目の阿波弁ですぐに打ち解けた。大杉漣さんとチャットモンチー橋本絵莉子さん、福岡晃子さんの新春対談。椅子に腰を下ろした瞬間から、阿波弁の面白さ、表現者としての在り方、プライベートの話など、終始笑いが途切れることはなく・・・。「生まれ変わるとしたら、女の子になってサッカー選手かミュージシャンになりたいなぁ」(大杉)、「え! 女優じゃないんですか!」(チャットモンチー)。対談は、予定時間をオーバーするほどの盛り上がりを見せた。
福岡 大杉さん、昔からいつも、テレビなんかで拝見させていただいていました。今日はちょっと緊張します。
橋本 いろんな顔がある方っていう印象やったんですけど、実際にお会いしてみて・・・かっこいいです。
大杉 あはは、ありがとう。僕は歌を聴くのが大好きやから、何年か前から、チャットモンチーさんってむっちゃかっこいいなぁ、と思いながら聴かせていただいてました。
福岡 ありがとうございます。ちょっと、阿波弁残ってますよね。
大杉 普段からなんですよ。家でも、事務所の人と話すときも阿波弁。東京に出てきて40年以上たってるのに、いまだにこんな感じっていうんは、やっぱり徳島が自分の楽な場所っていうか、一番気持ちが落ち着くとこなんかなぁと思いますね。2人は標準語?
橋本 めっちゃ阿波弁です。ふふふ。
大杉 そしたら、今日はもう、みんな阿波弁でしゃべったらどんなん?
橋本 わぁ、いいですね! 阿波弁でいきましょう!
福岡 阿波弁って、変わった言い方とか、他の地域では通じん言葉とかもいっぱいありますよね。
大杉 阿波弁、面白いよねえ。ほな「ください」って阿波弁で何て言う?
橋本 ・・・ちょうだい?
大杉 え、うそ! 「かぁ」って言わん?
橋本・福岡 ああ、言う言う言う! あはははは!
大杉 で、「どうぞ」は「やぁ」って言うよね?
橋本 めっちゃ懐かしい! 言います言います。
大杉 小松島に帰ったとき、近所のちくわ屋さんで「かぁ」って言ったら店のおばちゃんが「やぁ」って言って、ちくわくれる(笑)。
橋本 むっちゃいいですね! しかも、ちくわって「ちっか」って言いません?
大杉 あー、そうそう! 「ちっか」。言うね。
福岡 今、ちっかーずっていう徳島のキャラクターがいるの知ってます?
大杉 ・・・ちっかーず?
橋本 ふふふ。ちっかのキャラクターなんです。
大杉 へぇ。ちっかーず。かわいいでぇ。よう知ってるねえ。実は僕、この前徳島にちょっと帰ったんよ。8月13日、京都で撮影やってて、1日空いてね。あぁ、ちょうど阿波踊りやっとる、って思って、京都からバスに乗って・・・。
橋本・福岡 ええぇぇ!
大杉 友達と合流して。新町橋の北詰に誰でも踊れる場所があるんやけど、そこでもう、ほんまに狂ったように踊ったぁ。
橋本 狂ったように・・・あははは。
大杉 その後はしゃいでしもうて、知り合いのやってるライブハウスでライブしてねぇ。
橋本・福岡 えええぇぇぇ! みんなめっちゃ喜んだんじゃないですか?
大杉 そうなんよ。いっぱいお客さん来てくれてね。2人も徳島で遊ぶことある?
福岡 年に3回くらいは絶対徳島帰りますよ。お正月と、お盆と、ライブ。
大杉 そっか。ライブあるもんね。全国いろんなとこ行くよね。
【下】に続く