徳島県小児科医会 日浦恭一(徳島新聞朝刊 満1歳にて掲載)

 川崎病は原因不明の疾患です。明らかな原因がある場合には川崎病から除外されます。

 川崎病ではサイトカインと言う物質が上昇しており、強い炎症反応があるため高熱と全身の血管炎が発生します。同時に血管透過性因子が上昇しており、このために毛細血管の拡張と透過性亢進を来します。これが川崎病で見られる様々な症状の原因です。

 川崎病の診断基準として、①持続する高熱、②眼球結膜の充血、③口唇の紅潮、苺舌、口腔咽頭粘膜の発赤、④不定形発疹、⑤四肢末端の変化、急性期には手足の硬性浮腫と手掌や指先の紅斑、回復期には指趾先端の膜様落屑、⑥非化膿性頸部リンパ節腫脹の6つが挙げられます。

 以上の6つの症状の中で5つ以上あれば川崎病と診断されます。ただし4つの症状しかなくても冠動脈拡張や冠動脈瘤が認められるものは川崎病と診断されます。

 主要症状の他にも全身におよぶ様々な症状が見られます。心血管系、消化器系、血液や尿の変化、皮膚ではBCG接種部位の発赤、呼吸器系、関節、神経系の症状が見られます。

 本症に対する治療は大量ガンマグロブリン療法とアスピリンの投与が標準的です。多くの症例ではこの治療で解熱しますが、中に治療に反応しない症例があります。治療に反応しない症例には冠動脈瘤発生のリスクが高まると言われます。標準的な治療に反応しない場合にはステロイドホルモンや免疫抑制剤など様々な治療法が試みられています。