記者会見する福井照沖縄北方・消費者行政担当相=27日夜、内閣府

記者会見する福井照沖縄北方・消費者行政担当相=27日夜、内閣府

 江崎鉄磨沖縄北方・消費者行政担当相(74)=衆院愛知10区=は27日、健康問題を抱え、衆参両院の予算委員会審議への対応など、閣僚の職責を果たしていくのは困難だとして辞任した。安倍晋三首相に辞表を提出し、受理された。菅義偉官房長官が記者会見で発表した。首相は後任に自民党の福井照・元文部科学副大臣(64)=衆院比例四国=を起用した。

 首相は、江崎氏と同じ自民党二階派から福井氏を登用し党内の派閥バランスを重視。政権運営の安定を図ったとみられる。

 福井氏は就任後初の会見に臨み、消費者庁の徳島への全面移転の可否について、徳島県庁に開設した消費者行政新未来創造オフィスの検証に加え、「国民の声が総合的に反映されるべきだろう」と述べ、世論の支持が必要との考えを示した。

 消費者行政、食品安全政策を担当することになった福井氏は「消費者の安全安心の確保は重要な課題。消費者庁所管の法律の厳正な執行、地方消費者行政の強化、消費者教育の充実、食品の安全の確保などにしっかりと取り組んでいく」と語った。徳島のオフィスは昨年8月に視察しており、「実証に基づいた消費者行政の発展、創造の拠点だ」と話した。

 自民党の地方創生実行統合本部事務局長を務めた経験から中央省庁の地方移転の意義を認め、「一部ではあるが、中央省庁が地方に移転して行政を行うというのはわくわくする」と述べた。

 消費者庁の全面移転の可否については「(オフィス開設から)3年後をめどに検証を行い、発展させるべきなのか、撤退して東京に戻るべきなのか結論が出る」と語った。


 福井照氏(ふくい・てる)東大卒。農水政務官、衆院沖縄北方特別委員長、文科副大臣。64歳。比例四国、衆院当選7回。本籍・高知県宿毛市。(二階派)