細菌性髄膜炎に罹ってそのまま治療せずに放置しておくと100%死亡すると言われます。適切な治療を行っても5%前後が死亡し、15%に神経学的後遺症を残すとされます。後遺症には難聴、てんかん、運動障害、知的障害などがあります。診断をつけて治療開始までの時間は短いほど予後は良くなります。

 髄膜炎の予後に関与する因子としては年齢や原因細菌の他に、発病時の症状、特に意識障害の有無やけいれんの持続や反復などが関係します。遷延する発熱や抹消循環不全、重症呼吸障害などの存在にも注意が必要です。

 発病直後に診断がつけば、それだけ早く治療が出来ますから、予後も良くなります。

 細菌性髄膜炎の診断確定に必要なのは髄液検査です。髄液中から原因細菌が検出されると正確な診断がなされ、適切な治療薬を選択することができます。髄液中から細菌が検出出来ない場合には血液中や隣接臓器からの細菌検出をもって原因細菌を推定します。

 髄膜炎の原因となる細菌は年齢によって異なります。新生児ではB群溶連菌や大腸菌が、乳幼児ではインフルエンザ桿菌(ヒブ)や肺炎球菌が原因菌として多いと言われます。

 子どもの細菌性髄膜炎は最近減少しています。その最大の原因は予防接種の普及です。ヒブ髄膜炎は100%近く減少し、肺炎球菌髄膜炎も60%以上減少しています。肺炎球菌はワクチンに含まれていない血清型の細菌による髄膜炎が発生しています。

 ワクチンが普及して細菌性髄膜炎が減少するとその重篤性を忘れてしまうことがあります。ヒブや肺炎球菌ワクチンは乳幼児の髄膜炎予防にとても大切なワクチンです。