金蘭会対東九州龍谷 第2セット、スパイクを放つ金蘭会の西川=東京体育館

金蘭会対東九州龍谷 第2セット、スパイクを放つ金蘭会の西川=東京体育館

 バレーボールの全日本高校選手権最終日は8日、東京体育館で決勝が行われ、女子は金蘭会(大阪)が総体覇者の東九州龍谷(大分)にストレート勝ちし、3大会ぶり2度目の優勝を果たした。

 金蘭会は、徳島市出身でエースの西川有喜(2年、富田中出)がチーム最多の12得点と攻守に存在感を発揮して優位に試合を進めた。

 金蘭会がマッチポイントを握った第3セット。24―23から宮部が東九州龍谷のライト側からのアタックをブロックで仕留める。このプレーが狙いを象徴していた。エース西川は「準決勝を見て組み立てた作戦が的中した」と納得して見せた。

 相手エースに思うようにスパイクさせないためサーブで狙って崩した。69本のサーブのうち49本をエース中川に取らせ、前後に揺さぶって自由を奪った。ライト側からの速い攻撃頼みになった相手を身長180センチの西川、宮部がブロックでマーク。2人で6度も封じた。

 第1、第2セットは西川らを起点に優位に試合を進めて連取。しかし第3セットは、中盤に追い上げを許した。厳しい局面を打開する決定打としてブロックが機能した。12得点中3点がブロックだった西川は「相手のトスからの動きに対応し、効果的に決めることができた」と振り返った。

 チームは、前回の準決勝で敗れてから「絶対に最後の舞台に立つ」を合言葉に1年間、厳しい練習に取り組んできた。その過程では、全国総体決勝トーナメントでの初戦敗退という屈辱も経験。悔しさをばねに優勝まで駆け上がった。

 先発の3年生は主将の林だけという若いチーム。西川は「3年生とできる最後の大会で優勝できてすごくうれしい。最高学年になっても結果を残す」と、さらなる飛躍を誓った。