漢方薬での改善方法

 【質問】70代女性です。寒くなると、手足の末端が痛くなるほど冷たくなり、悩んでいます。特に今の時季はカイロや電気あんかが手放せない状態です。漢方薬などで改善できると聞いたのですが、良い方法があれば教えてください。

 ひろこ漢方内科クリニック(徳島市国府町観音寺)
 高橋浩子院長

 部位や体質で使い分け

 【答え】冷え症は、通常は苦痛を感じない温度でも体が冷たく感じる状態が続くことです。筋肉量が少なく、出産や閉経でホルモンバランスが崩れやすい女性に多くみられます。

 冷えが原因でさまざまな症状が出ます。具体的には頭痛や肩こり、腹痛、関節痛、便秘や下痢などの便通異常、しもやけ、にきびなどの皮膚症状、不妊や月経不順といった婦人科症状、ぼうこう炎などが挙げられます。風邪をはじめ、感染症にもかかりやすくなります。

 冷え性は部位によって<1>末端冷え症<2>下半身冷え症<3>おなか冷え症の3タイプに分かれます。治療には漢方医学が効果的で、タイプと体質によって、漢方薬を細かく使い分けます。

 今回の相談は、末端冷え症です。手足の痛み、しもやけ、腰痛、肩こりなどの症状が出ます。末端冷え症には、五積散(ごしゃくさん)や当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)、温経湯(うんけいとう)を使います。

 五積散には温めて痛みを抑え、胃腸を整えたり、血の巡りを良くしたりする生薬などが入っています。頭痛、腹痛や下痢、むかつき、食欲不振、むくみ、月経の不調、風邪症状といった他の症状にも有効です。性別年齢を問わず、広く適応します。足が冷え、顔はのぼせるという「冷えのぼせ」にも使います。

 下半身冷え症には苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)、八味地黄丸(はちみじおうがん)を使います。おなか冷え症には人参湯(にんじんとう)や大建中湯(だいけんちゅうとう)を用います。

 顆粒(かりゅう)状の漢方薬は、熱い湯に溶かして飲むようにすると、より体が温まります。夏でも冷房で体が冷えた時に飲みます。長期間飲むことで、痛みの軽減が期待できます。カイロや電気あんかの使用頻度も減るでしょう。

 医師処方の場合は保険適用されます。かかりつけ医に相談してください。

 生活習慣の見直しも重要です。生活リズムを整え、朝食をきちんと食べましょう。体温が低い朝に、冷たい物の飲食は避けてください。体を冷やす食材と温める食材があるので、注意が必要です≪表参照≫。冬は冷やす食材を控え、加熱して食べてください。

 家事や庭仕事、散歩やストレッチをして、体の中から熱をつくるようにしましょう。入浴時には湯船にきちんと漬かって温まるのも効果的です。

 冷え症は生活を見直し、食事を意識するだけでも改善します。「体質だから」と我慢せず、できることから始めてください。