J1昇格の夢を絶たれたあの日から約2カ月。「巻土(けんど)重来」を掲げる徳島ヴォルティスの2018年シーズンがスタートした。再び昇格に挑むのは、新加入が内定したコスタリカ代表GKカルバハルを含む30人の「青い戦士」たち。2季目の指揮を執るロドリゲス監督の下、今や徳島の代名詞となった「魅力あふれる攻撃サッカー」をさらに進化させるべく、高知キャンプでは連日練習に打ち込んでいる。
「自分たちが止めた時間をもう一度動かす」。12日、鳴門市の大麻比古神社で必勝祈願を終えた昨季の主将、MF岩尾は、新シーズンの意義をそう語った。
チームは昨年11月19日のリーグ最終戦、東京Vに敗れて7位に転落。昇格プレーオフ進出目前で戦いの舞台から降ろされた。「まだまだ戦えたはず」。岩尾だけではなくFW山﨑やMF島屋、GK長谷川ら徳島に残留した18選手の心に秘めた悔しさこそが、新チームの出発点だ。
そうそうたる顔ぶれの新加入組も勢いを後押しする。スペインU-21(21歳以下)代表などで活躍したMFシシーニョをはじめ、昨季J3で19得点し、得点ランキング2位のFW薗田、U-18日本代表のMF井澤ら有力選手がそろい踏み。GKカルバハルは、W杯ロシア大会に出場するコスタリカのA代表だった。
16日に始まった高知1次キャンプでは早速、昨季のメンバーと加入組がそれぞれ持ち味を発揮してしのぎを削った。昨季、日本人トップの23得点を挙げたエース渡の穴を埋めるFW陣、パスワークの根幹を担うMF陣、守りだけでなく攻撃の起点としての役割も果たす守備陣。あらゆるポジションでスタメン争いが加速する。
「逆境をばねに成長しよう」。指揮官の呼び掛けに呼応し、巻き返しを誓うイレブンの挑戦が始まった。