農林水産省が発表した2018年の農林水産物・食品の輸出統計を眺めて、これは意外だった。サバが主要輸出品の一つになっている。青魚の、あのサバがである

 前年比22%増、輸出額266億円。和食ブームで需要の高まる牛肉を、額では20億円近く上回った。ベトナム、タイ、フィリピンといったアジア向けのほか、アフリカ諸国への輸出が好調らしい

 はたと考える。サバの愛好家でつくる「全日本さば連合会」が監修した「サバが好き!」(山と渓谷社)によると、国内で流通するサバの半分はノルウェー産だ。日本産も輸出するぐらいあるのに、どうしてか。「ふくよかでジューシーな脂」が人気とは言うものの…

 日本周辺で取れるサバは、かなり小ぶりになってきたという。国内市場では加工に回るような小さな魚を輸出し、立派なノルウェー産を輸入する。全体としては、こんな構図である

 農林水産物の輸出に力を入れる政府は、今年、輸出額1兆円の目標を掲げている。達成するには、あと1千億円積み増さないといけない。その一翼をサバも担うことになるだろうか

 アフリカ市場は中国の得意分野でもある。心配なのは乱獲だ。サバの漁獲量は近年、比較的安定しているが、ピーク時には到底及ばない。徹底した資源管理が必要なのは、クジラやマグロばかりではない。