携帯電話の料金引き下げを検討する総務省の審議会と、都市ガス市場の規制緩和を議論する経済産業省の審議会で、委員を務める複数の大学教授らが企業や業界団体から多額の寄付金を受けていたことが明らかになった。

 両省とも寄付金の授受を把握していなかったが、違法性は明確でなく、全体調査や対処はしない考えという。

 審議会は国の政策立案に関わる組織の一つ。利害関係者から委員への金銭授受は、公平・中立を揺るがすというのが常識的な見方だ。

 両省は速やかに実態調査に着手するべきである。

 総務省の審議会では、委員8人が携帯大手NTTドコモやKDDIのグループ会社から寄付を受けていた。研究助成金として、昨年までの8年間で計4330万円に上る。

 トップを含む2人はKDDIグループの別団体「KDDI財団」(東京)理事にも就いていた。

 経産省の審議会は、3人が業界団体の日本ガス協会から2010年以降、計3900万円を研究寄付金の名目で受け取っていた。

 寄付金を受けた延べ11人はいずれも国立大の教員で、共同通信の情報公開請求によって判明した。だが、審議会には情報公開請求の対象となっていない私立大や企業に所属する委員もいるため、全体像は分かっていない。

 指摘された委員はおしなべて「(寄付元を)有利に取り計らったことはない」と答えている。両省も「公平さは維持できている」と強調するが、一体どれだけの国民が納得できるだろう。

 両方の審議会を兼務している中心メンバーは、計2300万円もの高額寄付を受け取っていた。公平・中立に判断できるかどうか疑わしい委員が何人もいるようでは、審議会の在り方そのものに疑義が生じよう。違法でないとしても、道義的には大いに問題がある。

 財政難から大学がこぞって研究費を切り詰める昨今、寄付金は貴重ではあろう。ただ、審議会の委員ともなれば、利害関係先からの受領には慎重になるべきだ。

 原発再稼働を審査する原子力規制委員会は、委員は在任中に原子力事業者から寄付を受けられないと定めている。新薬について話し合う厚生労働省の審議会も、就任までに受け取った寄付金の額によっては、委員を参加させない規定を設けている。

 誤解を避けるという意味でも適切な対応と言えるだろう。同様の規制が、他の審議会に及んでいないのは不思議でならない。

 国家行政組織法などに基づき、各省庁は17年8月時点で計129の審議会を設置している。総務、経産両省以外でも、同じように多額の寄付金授受が行われたケースはないのか。

 十分に調査を行い、最低限のルールを整備することが求められる。