4月に韓国で開幕する聴覚障害者のサッカー大会「第4回アジア太平洋ろう者サッカー選手権大会」の男子日本代表候補に、徳島市の八万中3年青木和樹さん(15)が選ばれた。10日に千葉県で始まる選考合宿に参加し、最終メンバー入りを目指す。青木さんは「自分らしいプレーを見せてアピールしたい」と意欲を燃やしている。
聴覚障害者のサッカーで県勢が代表候補に選ばれるのは、昨年7月にトルコで開かれた「デフリンピック(デフ五輪)」に出場した西大輔さん(19)=徳島市出身、JFLヴェルスパ大分所属=に続き2人目。
青木さんは身長179センチ、体重73キロのストライカー。スピードとパワーをバランス良く備え、粘り強くゴールを狙うのが持ち味。県立聾(ろう)学校(現・徳島聴覚支援学校)小学部2年の時にサッカーを始め、八万中では3年間主力として活躍した。昨年は副主将を務め、県中学総体ではチームを3位入賞に導いた。
生まれつき耳はほとんど聞こえないが、プレー中は口や目の動きなどで意思疎通を図る。聾学校の先輩の西さんに憧れ、鍛錬を重ねてきた。
西さんがデフ五輪前に参加していた代表合宿を見学した際、日本ろう者サッカー協会の関係者の目に留まり、昨年11月と今年1月の選考合宿に参加。26人の代表候補に入った。
最終選考合宿は10~12日に千葉県山武市で行われ、3月上旬、約20人の代表メンバーが発表される。
西さんは所属チームの活動に専念するため、今回の合宿への参加は辞退している。青木さんは「いつか日本代表として西さんと一緒に戦いたい」と夢を膨らませる。
アジア太平洋ろう者サッカー選手権大会は4月23日~5月7日に韓国・釜山で開かれる。4年に1度開かれる2020年ワールドカップ予選を兼ねている。