J2徳島ヴォルティスのトップチームにも登録されているユースの藤原志龍(17)=生光学園高校2年=が10日、U-18(18歳以下)Jリーグ選抜の一員として埼玉スタジアム2002のピッチに立った。先発メンバーに名を連ねた藤原は3トップの左に入り、得意のドリブルで相手の日本高校選抜の守備陣をこじ開けようとしたが、得点につなげることはできず、後半13分に退いた。
ボールを受けると何度もチャレンジした。いままで味わったことのない雰囲気やこれまででプレーした中で最も大きなスタジアムに、立ち上がりはやや堅さがあった。それでも徐々に持ち味を発揮。チャンスがあればドリブルで仕掛け、寄せてくる相手にも臆することなく、2人、3人とかわそうとした。昨年12月のプレミア参入戦で苦杯をなめさせられた流通経済大柏のキャプテン宮本優太とも対峙(たいじ)。「はがしてやろう」と何度も挑み、中盤で激しく競り合った。
今季もヴォルティスでトップチームに帯同し、高知、宮崎でのキャンプも経験。「プレスは特に気にならなかった」といい、練習試合でJ1の鹿島などを相手に自信を深めたドリブルでも相手ゴールに迫った。うまくボールを保持して運びながら相手のファールを誘う場面もあった。出場時間を通して持ち味を出したが、自己採点は40~50点と厳しめ。「得点を狙っていたのに、シュートも打てなかった。もっと早いタイミングで打ってもよかった」。FWとして出場しながら得点に絡めなかった責任感から悔しさをにじませた。
W杯の舞台にもなったスタジアムで、日本を代表する同年代との真剣勝負を経験した。「またこういった場所でやりたい」と、年代別の日本代表、トップチームでの試合出場への思いを強くした一戦。「球際の激しさがもっと必要」と課題を挙げた17歳はJのピッチに立つため徳島に戻り、開幕まで2週間、出場へ向けてアピールする