小学生の入学から6年間の撮影映像を編集し、番組を制作するテレビ鳴門のスタッフ=鳴門市撫養町の同社
 

 徳島県内の各ケーブルテレビ局が、地域に根差した番組作りに力を入れ、存在感を発揮している。放送エリア内の全小中高校の入学式や卒業式を放送したり、高画質な4K映像の番組を制作したりして独自色を打ち出す。高齢者の増加に伴い、機器の扱い方などを教える新たなサービスに乗り出す社もある。人口減や若者のテレビ離れが進む中、住民の関心を引きつけようと、地道な取り組みを続けている。 

 テレビ鳴門(鳴門市)は市内の2高校、5中学校、13小学校の入学・卒業式や運動会・体育祭などを放送している。幼稚園・保育園も1園を除く計30園の運動会と発表会を取材している。

 小学生に関しては、毎年卒業時に入学から6年間の映像をまとめ、3時間の特集番組として流す。長年続けており、好評を呼んでいるという。

 市内で営巣する国の特別天然記念物コウノトリを扱う番組も人気だ。2017年3月から、餌をついばむ様子や飛ぶ姿などをほぼ毎日紹介している。平岡利恵取締役は「ケーブルテレビの最大の売りは地域密着。今後もこれに特化して続けていく」と意気込む。

 自主制作が多いのが、テレビトクシマ(徳島市)だ。毎週水曜日夕方に生放送している情報番組や、小型無人機ドローンで県内各地の景色を撮影した紀行番組など、レギュラーが十数本に上るほか、不定期の企画も数多い。

 4K番組も制作し、日本デジタル配信(東京)が運営する4K専門チャンネル「ケーブル4K」に配信している。多角経営の一環として格安スマートフォンの販売にも乗り出し、17年4月にイオンモール徳島(徳島市)内に4K放送のPRとスマホ販売を行うアンテナショップを設けた。

 池田ケーブルネットワーク(三好市)は、地元で開かれた17年のラフティング、18年のウェイクボードの両世界選手権を生中継した。動画投稿サイト「ユーチューブ」や交流サイト「フェイスブック」などでも配信し、大会中、1日当たり数万回の閲覧を記録した。

 番組コンテンツの大半は同社ホームページで無料配信している。吉岡秀典専務は「三好市の良さを全国の多くの人に知ってもらい、関心を寄せてほしい」と力を込める。

 テレビやインターネットに加入する利用者の困り事に電話や訪問で応対するサービスを始めたのが、吉野川市と小松島市で展開する日本中央テレビ(本社・吉野川市)だ。

 15年から、料金プランのほとんどに無料オプションとして付けており、オプションがなくても月額500円(税別)で利用できる。相談者の大半が高齢者で、テレビリモコンのボタン操作やインターネットの設定に関する内容がほとんどだ。

 テレビ機器の初期設定などは無料で行うほか、アンテナ工事なども格安で受ける。訪問時に話し相手になる場合もあるという。山﨑篤史常務は「地域の人口が減り続ける中、退職後にUターンで戻ってきた層に対して確実に加入してもらえるようにしたい」と話している。

 全16局共同チャンネル 地元情報を県内全域に

 徳島県内のケーブルテレビ各局はさまざまな取り組みを展開しているのに加え、全16局が共同で一つのチャンネルを設け、番組を配信している。運営する県CATVネットワーク機構(事務局・テレビトクシマ)によると、全国初の珍しい試みという。

 「けーぶる12」の名称で、2015年4月に始まった。12はチャンネル番号で、16局いずれの加入者も視聴できる。もともと高校野球や阿波踊りを共同制作し、自局で配信していたが、さらに連携を強めようと共同チャンネルをつくることにした。

 新たに県高校総体の全競技を取材するなど共同制作を増やしたほか、各局が自主制作した番組も放送しており、各局でしか見られなかった地元情報が県内全域に発信できるようになった。