奄美大島の慰霊塔訪問を前に打ち合わせをする会員=徳島市東新町2のひまわり法律事務所

富山丸の犠牲者を祭る供養塔=鹿児島県の奄美大島(同県瀬戸内町提供)

 焼酎の泡盛を通して特産地の沖縄と交流している「阿波を盛り上げる泡盛の会」の会員18人が15日、鹿児島県の奄美大島を訪ね、戦時中に徳島県出身者約370人を乗せたまま撃沈された輸送船「富山丸」の供養塔に献花する。人々の記憶から消えつつある戦争の歴史に光を当て、平和への思いを新たにする。

 1944年6月29日、軍人や民間人を乗せて沖縄本島に向かっていた富山丸は、鹿児島県徳之島沖で米潜水艦の魚雷を受け、沈没した。犠牲者は約3700人に上り、1割を徳島県出身の将兵が占めた。当時、奄美大島には陸軍病院があり、多くの負傷者が運ばれたという。

 泡盛の会は2010年、徳島の経営者や文化人らで設立し、沖縄県民と交流。13年から2年おきに沖縄県内の慰霊碑を訪問してきた。4回目となる今回は、数百人の県人が亡くなった富山丸の悲劇を後世に継承するため、沖縄訪問の途上で奄美大島に立ち寄ることにした。

 会員388人のうち有志18人が3泊4日で奄美大島と沖縄本島を訪問。沖縄では那覇市の老舗酒造所や名護市辺野古の米軍基地建設予定地などを視察し、沖縄県酒造組合と懇親会を開く。

 田村耕一会長(67)=徳島市佐古一番町=は「戦争の記憶を風化させてはならない。沖縄の人たちとの草の根交流にも力を入れ、平和への思いを共有するとともに両県の結びつきを強めたい」と話している。