改善したものの、まだ努力は必要だ。徳島県内の子どもの体力は全国平均を下回った。小学5年と中学2年の男女を対象に、スポーツ庁が実施した2018年度の全国体力テストの結果である。

 50メートル走や反復横跳びなど実技8種目を点数化した体力合計点は、小5男女と中2女子で08年度の調査開始以来、過去最高となった。中2男子も2番目に高い。

 アップは喜ばしいが、都道府県別の順位は、小5男子が28位で女子が30位である。中2男子は33位、女子は36位にとどまっている。学校や家庭での取り組みに改善の余地があろう。

 子どもの体力は現在の親の世代に当たる1985年ごろをピークに、その後は大きく低下した。今の子どもの体力は、当時と比べて多くの種目で下回っている。

 将来的に生活習慣病の増加が懸念されており、体力低下はストレスへの対処力、意欲や気力の低下など、子どもの精神面に悪影響を及ぼすとの指摘もある。ひいては社会の活力低下につながりかねない深刻な事態といえる。

 体力低下の原因には、生活の利便性が高まったことや、生活様式の変化で体を動かすことが減ったことが挙げられよう。

 県内では学校統廃合で通学距離が延びた影響のほか、安全性を考慮してか、徒歩通学する児童の割合が少ないという。車での送迎が当たり前になったこととも無関係ではないようだ。

 少子化などに伴い、外で運動をしたり遊んだりすることが減り、ゲームやスマホに興じる子どもたちが増えているのも事実だろう。

 結果として今の子どもたちの生活習慣は乱れがちだ。本県の肥満傾向の児童生徒の割合は、ほとんどの年齢で全国平均よりも高い。

 生涯にわたって健康的な生活を送るには、よく体を動かし、規則正しい生活習慣を確立することが大切だということを教える必要がある。

 対策として各小中学校は体力向上計画を策定。この中に短時間で効果が出る体力アップ運動の実施を盛り込み、体育の時間や、休み時間に継続的に行うことにより、課題解決を図っている。

 また、小学3年生全員に配る冊子「とくしまチャレンジプログラム」には、6年まで4年間の体力テストの結果を書き込めるようにした。体づくりに関心を持ち、具体的な目標を立てて体力アップに取り組めるようにするためだ。他にも、楽しみながら体を動かすことを促す試みや授業の工夫は数多くある。

 とはいえ、学校だけでは十分でない。保護者の意識改革も必要だろう。親の運動不足や生活習慣の乱れがそのまま子どもに投影されているということはないだろうか。

 体力をつけることは生きる力を培うことである。親子でそうした認識を十分に共有したい。