徳島県議会2月定例会の代表・一般質問が始まった。飯泉嘉門知事と議員は共に4月の統一地方選での改選を控えており、今任期最後の論戦である。

 とりわけ飯泉知事は5選を目指しており、4期16年の検証に注目が集まっているが、代表質問で飯泉県政を総括する質疑はなかった。拍子抜けした県民は多いのではなかろうか。

 新年度予算案が議題となる2月定例会は「予算議会」と称される。ところが、2019年度当初予算案を質問で取り上げたのは、議員3人のうち1人だけだった。

 その議員も18年11月、19年2月の両補正予算を合わせた「15カ月予算」の着実な執行を確認するにとどまり、まったく物足りなかった。

 知事選前の新年度予算案は、必要最小限の経費で編成する骨格予算とし、規模は前年度より大幅に縮小するのが通例だ。

 今回、骨格の位置付けながら、県は災害対策の「県土強靱化」名目で公共事業費を増額計上し、全体額を微減にとどめる異例の措置をとった。

 公共事業費の増額は県議会の全会派が要望していたものだ。「知事も議会も、選挙目当てのばらまき」と疑念を持つ有権者もいる。

 だからこそ私たちは、議会は今回の公共事業費の必要性や優先順位を厳しく精査する責任があると、くぎを刺してきた。

 議会はどういう公共事業に対して増額を求め、それに応えた県は具体的に何にいくら計上したのか。「防災」を盾に必要以上の公共事業をしようとしていないか、要望した議会が進んでチェックする必要があったはずだ。

 触れられなかったのは残念というほかない。

 登壇した3人は合わせて27項目を質問した。消費者庁の本県移転や、消費増税をにらんだ中小企業支援、家畜伝染病の防疫、路線バスが軸の地域交通対策など、いずれも見過ごせない重要課題である。

 消費者庁移転に関して、本県の消費者教育などを海外の国際会議で周知し、機運を高めるという方針を引き出すなどした成果は小さくない。

 それを踏まえても、飯泉県政を総括する質疑がなかったのはどうしたことか。

 知事は昨年11月定例会で出馬の意向を示し、16年間の実績を語っている。長期政権がもたらした効果と課題について、11月定例会で質疑がなかっただけに、最後となる代表質問で聞き応えのあるやりとりを繰り広げてほしかった。

 失望したのはそれだけではない。とくしま記念オーケストラ事業を巡る疑惑が追及されなかったことだ。知事と旧知の音楽プロダクション元代表がなぜ事業を主導したのかなど、肝心な部分は結局不明なままとなっている。

 知事選に向け、事実を明らかにしておくべきである。今後の一般質問や委員会審議でただしてもらいたい。